おれのじいちゃんは、戦争出てた
隣の県に住んでるじいちゃんだったけど、
たまにうちに泊まりに来てくれて、そんときは一緒に寝てた
そのじいちゃんち泊まりに行くときも一緒に寝てた。オレが寝室にあがりこんで
そんときは戦争の話してくれた
一番残ってるのは何か壕みたいなとこに身を伏せながら
銃撃戦をやってる話
「ピューン!!!って弾が耳元かすめたぞ!!!」 とか
「友達はいっぱい死んでったけどおじいちゃんは頑張った!!」 とか、
子供のオレには死んだじいちゃんの友達より、その戦ってる話が
まるでウルトラマンかのように感じて、wktkしながら聞いてた
そんなじいちゃんはおれが高校1年のとき死んだ
葬式にはじいちゃんの戦友という方がいらっしゃった
葬式のときに告辞?みたいのがあるじゃん?それをその戦友さんがやったんだけど、 出だしが
「思い返せばあなたとであったのは満州の大地ででしたね・・・」
からだった。満州が中国北部辺りってこと以外わからない俺は、
あのヒーローなじいちゃんはリアルだったんだってことを感覚として改めて刻んだ
葬式のあと、その戦友さんがオレにいろいろ教えてくれた
「あなたのおじいさんはね、偉い人だったんだ
ある日、あんまり食べ物がないものだから、あなたのおじいさんの部下が食べ物をこっそり食べてしまったんだ
その次の日、あなたのおじいさんの上司がそのことに気付いて誰が犯人なのか、って怒ったんだ
あなたのおじいさんは、実は自分の部下が食べたのを知っていた。なのに、あの人は『自分がやりました』って言うんだ
そのあと、部下の前なのにすごく殴られたり蹴られたりしてね
私は聞いたんだ『なぜあんなに正直に聞いたんだ』って
そしたらあの人は
『自分の命令一つで死地にやったりすることもあるんだ、 こういうときくらい自分が傷ついておくべきだろう』って
すごく立派な人だったよ・・・」
あんなに戦争の話をしてくれたじいちゃんはおれにその話をしてくれたことがない
おれは涙がとまらなかった