途切れなく甲高い笑い声、何かの羽ばたく音、そして何かを這いずるようなズルズルというような音がします。
夢ではありません。
心では何処かでそれを望みながら、私が触れてしまった禁断の知識が冷酷にそれを否定するのです。
この世には知ってはならない邪悪な知識があり、不用意にも知ってしまった人間は二度と元の生活には戻れないのでしょう。
この手記を読む人が居るのなら、書庫にある邪悪なる書物達をこの手記共々、燃やして下さい。
二度と私のような者が、現れないように。
時計の針はそろそろ零時を指そうとしています。
私の希望は太陽と共に沈んでしまいました。
鐘は四回、鳴ってしまったのです。もう手遅れ、何もかも。
あの呪われた存在が明日と共にやって来る今となっては、私は手元にある薬瓶に忘却の世界を求める他無いのでしょう。